「部落差別解消法」成立に基づく条例の制定について
平素より、同和問題をはじめとするあらゆる人権問題の早期完全解決にご尽力を賜り厚く感謝を申し上げます。同和問題の現状は、平成5年に国が実施しました地区概況調査では、41.4%と混住が進んでおり、今では地区内に建設された公営・改良住宅も一般に開放が進んでいることを勘案すれば、40%を下回ることは確実だと思われ、既に旧同和地区では同和関係者が少数になっており、混住も大きく進んでいます。一方、同和問題の最大の壁と言われております結婚につきましても、地方公共団体の調査結果では、約8割が同和関係以外と結婚しており、その内、約7割が反対はなかったと回答しており、通婚につきましても大きく進んでいます。また、就労につきましても、昭和44年から83年間にわたる同和対策関連法により様々な施策が講じられ、特に、高等学校等奨学資金制度より高学歴が進み、一部に不安定な就労形態も残るが、概ね安定した就労に大きく改善されました。
このような現状から、私ども自由同和会は、同和問題は既に解決の方途にあるとの認識で活動しており、同和対策関連法が失効しました平成14年度以降からは一般対策で同和施策は講じられており、今、旧同和地区や旧同和関係者を対象とする新たな同和施策は、旧同和地区や旧同和関係者の固定化と逆差別を招き、解決の方途にある同和問題の解決を阻害することが考えられます。よって、「部落差別解消法」の不足分を補うことを目的にする条例の制定は、何ら必要性はないものと考えておりますので、条例の制定には極めて慎重な態度で臨んでいただきたく、お願い申し上げます。
平成31年1月1日
自由同和会中央本部
会長 川上高幸